さて#3からは少しずつ実際の運用に向けて説明します。最初にデュアルモメンタムを行うにあたり頻出する投資用語を説明します。次にステップバイステップ形式でデュアルモメンタムの手順を説明していきます。
デュアルモメンタムの頻出用語集
Tickers:ティッカー
Universe:ユニバース
Single absolute momentum:絶対モメンタム
説明: アセットの過去のリターンが正であるかどうか、またはあるベンチマーク(例えばインデックスやリスクフリーレート)を上回っているかどうかを評価する方法。
利用方法: アセットの絶対モメンタムが正の場合にのみ投資を行います。
Out of Market Asset:退避先
Performance Periods:
Lookback Period:ルックバック期間
説明: モメンタムを計算するための過去の期間。
利用方法: 12ヶ月のLookback Periodを設定した場合、過去12ヶ月のデータを使用してモメンタムを評価します。
Exclude Previous Month:
説明: 最新の1ヶ月のデータをモメンタムの計算から除外する方法。短期的なノイズを除去するために使用されることがあります。
利用方法: モメンタムを計算する際に、最新の1ヶ月のデータを除外して、その前のNヶ月のデータを基に評価を行います。
Assets to hold:アセット数
Stop Loss:ストップロス
説明: 価格が大幅に下落した場合に投資ポジションを自動的に解消するための事前に設定された価格水準。
利用方法: 例として、10%のストップロスを設定した場合、購入価格から10%下落した時点で該当のアセットを売却します。
これらのパラメータを組み合わせることで、デュアルモメンタムは真価を発揮します。
デュアルモメンタムの手順
この手順に従いステップバイステップで一つずつ進めていけばデュアルモメンタム投資が実行できるはずです。
Universeの設定:
Tickersの収集:
Universe内の各アセットや銘柄に対応するティッカー(Tickers)を収集します。
Lookback Periodの設定:
モメンタムを計算するための過去の期間(Lookback Period)を定義します。例えば、12ヶ月。
Exclude Previous Monthの適用:
最新の1ヶ月のデータをモメンタムの計算から除外します。これは短期的な価格の変動やノイズを排除するためです。
相対モメンタムの計算:
各アセットの過去のリターン(Performance Periods)を使用して、相対モメンタムを計算します。
Assets to holdの選択:
計算した相対モメンタムを基に、最も強いモメンタムを持つ上位のアセットを選択します。例えば、上位3つのアセット。
Single absolute momentumの確認:
選択したアセットの絶対モメンタム(Single absolute momentum)を評価します。これは、アセットのリターンが正であるか、あるいは特定のベンチマーク(例:リスクフリーレート)を上回るかを確認するものです。
Out of Market Assetへの遷移:
Stop Lossの設定:
選択したアセットの価格が大幅に下落するリスクを回避するため、ストップロスの価格水準を設定します。
この手順に従えばデュアルモメンタム戦略を実行することができます。
まとめと今後の展開
次回は趣向を変えてportfolio visualizerのサイトを訪れながら、実際に自らパラメーターを変更するとどうなるかを経験して貰いたいと考えています。#2で例にあげたデュアルモメンタムのリンク先を提示した上で、パラメーターによってどのような変化が起きるのか実例を挙げてみようと思います。